バックハウスのベートーヴェン・ピアノソナタ

バックハウス

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家から車で15分ほどの中古CDを売っている店で、ヴィルヘルム・バックハウスのベートーヴェンのピアノソナタをたくさん売っていた。

安かったので大人買いした。7枚買った。同じ持ち主から放出されたものかもしれないな。ダブりなく揃っていたから。光に当たっていた加減も同じだった。

でも全てを揃えるには、2枚足りない。全集だと曲は番号順に並んでいるが、一枚ずつ市販されたCDでは、セットの特徴があるのだ。全集とは異なる味わいがあるのだ。

例えば、
「14番 月光、8番 悲愴、23番 熱情」が1枚のCDに収まっているのはゴールデン・ラインナップである。一番の売れ線である。
「21番 ワルトシュタイン、17番 テンペスト、26番 告別」は中期の安定した名曲集である。力強さもあり深みもある音楽だ。
「1番、2番、3番」という初期作品のもある。ベートーヴェンが若くて「ほらすごいだろ、俺」と言っているようだ。

なぜこうなっているのかわからない人もいると思うけど、その頃、1980年から1990年代というのは、基本的にレコードの時代で、レコードは一枚が3000円くらいしたので、一度に数枚買うというのはとても裕福な人であって普通は一番欲しいものを一枚だけに絞ってレコードを買う。

まずは最初の1枚をヒットさせたいので、有名曲でラインナップする。それは演奏家の意向ではなくてレコード会社の方針による。大演奏家であってもレコード会社の方がリードしていた時代だ。売るためには、何か必ず「販売コンセプト」が欲しいわけだ。

ベートーヴェンのソナタであれば、2枚目以降はちょっとずつ曲の知名度が落ちてくる。ベートーヴェンのソナタは32曲もあるので普通の演奏家では全曲を録音することはできない。レコード会社の担当が「この勢いで全曲録音目指しましょう!」などと演奏家を鼓舞するのだが、これは完全なリップサービスに過ぎない。

3枚目くらいになって、無名のソナタならば、B級のピアニストでゴールデン・ラインナップの方が売れるとレコード会社は考えている。それは全く浅はかなことでそうでないことは歴史的に証明できるように思うのだけれど、レコード・CD会社の人たちもテレビ・ラジオ業界の人と全く同じように行動してきたようである。

もともとレコード・テレビ系の人たちには、何も考えはなかったのだ。ただ、売れるものを統計的に追い求めていただけだ。これは大変に不毛なことだったと思う。


さて、クラシックのピアノCDはどんどん傾向が変わってきて、特に2005年以降は金属的な音でものすごくリバーブが効いている。ピアノの原音があまり聞こえてこない。

バックハウスのピアノソナタを聴いていると原音がそのままに聞こえる。澄んだ柔らかい音が聞こえる。ベーゼンドルファーの重低音もそのままに聞こえる。

1960年前後の、ちょっと古い録音を聴いていると不思議なことに現代の録音の方が音が劣っているように思えてしまう。

バックハウスにはもっと古いモノラルの録音もあるようで、もっと若い頃の演奏である。機会があれば是非聴いてみたい。

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